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【特定活動】ミャンマー特定活動(本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置)に関するQ&A

  • 執筆者の写真: 行政書士 日下 雄一朗
    行政書士 日下 雄一朗
  • 11月26日
  • 読了時間: 24分

更新日:11月28日

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日本に在留するミャンマー国籍の皆様は本国の情勢不安により、今後のご自身の在留資格についてご不安やお悩みを抱えていらっしゃるかと存じます。


日本政府は、こうした方々のために人道的な配慮から緊急避難措置として「特定活動」への在留資格変更を認める対応を行っています。 しかし、この制度はご自身の状況によって許可される内容(在留期間や就労の可否)が異なり、また、2024年10月からは一部の取り扱いが厳格化されるなど、変更点もございます。


以下に、皆様からよく寄せられるご質問をQ&A形式で解説いたします。ご自身の状況と照らし合わせ、適切なご判断の一助としていただければ幸いです。


目次

  1. ミャンマー特定活動(緊急避難措置)の基礎知識

  2. 就労資格からの変更要件

  3. 在留期間と就労

  4. 申請手続きと必要書類

  5. 特定活動許可後の生活と更新

  6. 他の在留資格への変更


1.ミャンマー特定活動(緊急避難措置)の基礎知識

Q1:ミャンマー特定活動(緊急避難措置)とはどのような制度ですか?

A1:この制度は、2021年2月以降のミャンマーにおける情勢不安(クーデター)を理由に、本国への帰国が困難となった在留ミャンマー人等(ミャンマーに常居所を有する外国籍の方を含む)に対して、人道的な配慮から日本での在留継続を認めるための特別な措置です。

この措置により、一定の要件を満たす方は、現在の在留資格から「特定活動」という在留資格への変更が許可されます。許可されると、在留期間(1年または6か月)が付与され、広範な就労活動が認められます。



Q2:私は現在「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働いていますが、この特定活動に今すぐ変更すべきですか?

A2:いいえ、その必要はありません。

現在有している在留資格に基づく活動を継続している方は、本措置に係る在留資格変更許可申請を行う必要はなく、現在有している在留資格で引き続き在留することが可能です(変更を強制するものではありません)。



Q3:この緊急避難措置はいつまで続きますか?

A3:この措置は、ミャンマー本国の情勢が安定し、帰国が困難であるという状況が解消されるまで継続されると考えられます。

現時点(2025年11月時点)で、この措置の明確な終了期限は公表されていません。出入国在留管理庁は、ミャンマーの情勢を注視しつつ、対応を継続しています。ただし、情勢の変化によって措置内容が変更または終了する可能性はありますので、常に最新の情報を確認することが重要です。



Q4:この特定活動は、ミャンマー国籍でなくても対象になりますか?

A4:はい、対象となる可能性があります。

この措置の対象者は、以下のいずれかに該当する方です。


  • ミャンマー国籍を有する方

  • ミャンマーに常居所を有する外国籍の方


したがって、ミャンマー国籍ではなくても、ミャンマーに生活の本拠(常居所)があったことを証明できる外国籍の方で、情勢不安を理由に帰国が困難な場合は、この措置の対象となり得ます。



Q5:この特定活動と、いわゆる「難民認定」とはどう違いますか?

A5:この2つは根本的に異なる制度です。

項目

ミャンマー特定活動(緊急避難措置)

難民認定制度

根拠

人道的な配慮に基づく緊急的・一時的な措置

難民条約に基づく長期的な保護

目的

本国情勢不安による帰国困難者への在留許可

迫害を受ける恐れがある個人を保護

審査

主に帰国困難な状況か否かを審査

主に迫害を受ける具体的な恐れがあるかを審査

許可後

在留資格「特定活動」の付与

原則として、在留資格「定住者」の付与

特徴

比較的迅速に在留・就労が許可される傾向

審査に長期間を要する場合が多い

緊急避難措置は、情勢不安という「状況」に着目し、集団的に在留を認める側面が強いのに対し、難民認定は、個々人が受ける「迫害の恐れ」を審査する制度であるといえます。



Q6:難民認定申請中でも、この特定活動を申請できますか?

A6:可能です。出入国在留管理庁は、難民認定申請を行っているミャンマー人の方についても、この緊急避難措置に基づく在留資格変更許可申請を受け付けるとしています。

難民認定申請は審査に時間がかかることが多いため、審査結果を待つ間にこの特定活動への変更を申請し、難民認定の審査が修了するまでの安定を得ることは一つの選択肢であるといえます。



Q7:不法滞在中の場合でも、この特定活動の対象になりますか?

A7:不法滞在中であっても対象となりえます。ただし審査は個別の事案ごとに総合的に判断されるため、一律に許可が下りるわけではないので注意が必要です。



Q8:「短期滞在」の在留資格からこの特定活動に変更できますか?

A8:原則として可能です。ただし通常の申請要件の他に、「短期滞在」の在留期限を更新する等して、合計180日以上の在留期間を有することが求められます。



Q9:現在日本に在留していない状態から、直接この「特定活動」を申請することはできますか?

A9:できません。 この緊急避難措置は、既に日本に中長期の在留資格で在留しているミャンマー国籍者等が、本国情勢不安により帰国できなくなった場合に、日本国内の出入国在留管理庁に対して申請するものです。 日本国外にいる方が、新たにこの「特定活動」で新規に入国することは認められていません。



Q10:この特定活動と、ウクライナ避難民向けの「特定活動」とは違いがありますか?

A10:はい、背景や一部の運用が異なります。

主な違いは、ウクライナ避難民の場合、日本に身元引受人がいることが要件の一つとされている点や、原則として「特定活動(1年・就労可)」のみが許可される運用となっている点です。

ミャンマー特定活動は、身元引受人の要件が存在せず、また変更前の状況によって「6か月・週28時間以内」となる可能性がある点で異なります。

なお、どちらも本国情勢の悪化に伴う人道的な配慮に基づく「特定活動」である点は共通しています。



2.就労資格からの変更要件

Q11:現在「就労資格」を持っていますが、どのような場合にこの特定活動へ変更できますか?

A11:現在の就労資格に基づく活動を満了した(あるいは継続不能となった)場合に、変更申請の対象となります。

具体的には、以下のような状況が想定されます。


  • 勤務先との雇用契約が満了した。

  • 勤務先の倒産や業績不振により解雇された。

  • 自己都合で退職した。



Q12:「在留資格の活動を満了した」とは、具体的にどのような状態ですか?

A12:これは、現在の在留資格で許可されていた活動が、正常に終了したことを指します。

就労資格をお持ちの方の場合、主に以下のケースが該当します。


  • 勤務先との雇用契約期間が満了し、更新されなかった(または更新しなかった)。

  • (技能実習の場合)技能実習計画(例:3年間)を無事に修了した。

  • (留学の場合)在籍していた学校を卒業または修了した。


このように、予定されていた活動を終えた方が、本国情勢により帰国できず、日本での在留を希望する場合が該当します。



Q13:会社の業績不振で解雇(会社都合)されました。この特定活動に変更できますか?

A13:変更できる可能性が非常に高いです。

会社の業績不振や倒産による解雇は、ご本人の責任(責めに帰すべき事情)ではありません。

よってこの場合、雇用契約期間が残っていたとしても、やむを得ず活動が継続できなくなったと認められ、特定活動への変更が許可される可能性が高いといえます。



Q14:自分で会社を辞めた(自己都合退職)場合、特定活動への変更はどうなりますか?

A14:自己都合退職は「自己の責めに帰すべき事情により、現に有する在留資格の活動を満了しなかった者」と見なされる可能性があります。

この場合、許可される特定活動の内容が下記の通りに異なることとなります。

  • 会社都合:

    「特定活動(1年・就労可)」


  • 自己都合:

    「特定活動(6か月・週28時間以内の就労可)」


このように、退職の理由によって許可される期間や就労条件が異なるため、注意が必要です。



Q15:「自己の責めに帰すべき事情によらず」活動を満了できない場合とは、どのような例ですか?

A15:ご自身の責任ではない理由で、現在の在留資格の活動(就労など)が続けられなくなった場合を指します。

以下のような例が挙げられます。


  • 勤務先の倒産、経営不振による解雇(リストラ)。

  • 勤務先から不当な扱い(給与の未払い、パワーハラスメントなど)を受け、やむを得ず退職し、それが客観的に認められる場合。

  • 技能実習の場合に、実習実施者(会社)側の問題で実習が継続できなくなり、監理団体が次の実習先を見つけられなかった場合。



Q16:「自己の責めに帰すべき事情により」活動を満了できない場合とは、どのような例ですか?

A16:ご自身の都合や責任によって、現在の在留資格の活動(就労など)が続けられなくなった場合を指します。

以下のような例が挙げられます。


  • 雇用契約期間中であるにもかかわらず、自己都合で退職した場合。

  • 勤務態度不良や、会社の規則違反などを理由に懲戒解雇された場合。

  • 技能実習の場合に、実習先から失踪した場合。

  • 留学の場合に、学校の出席率不足や成績不良により除籍・退学となった場合。



Q17:技能実習生ですが、2024年10月から審査が厳しくなったと聞きました。具体的にどう変わりましたか?

A17:はい、2024年10月1日以降、特に在留資格「技能実習」の方が、技能実習を修了することなく特定活動への変更を申請する場合の取り扱いが厳格化されました。

これは、緊急避難措置の誤用・濫用的な事例(例:技能実習からの安易な失踪・変更)が散見されたためとされています。

具体的には、以下の点が厳格化されました。


  • 「技能実習」で在留し、技能実習を修了していない者については、原則として、自己の責めに帰すべき事清によらずに技能実習の継続が困難となり、監理団体等が実習先変更に係る必要な措置を講じたにもかかわらず、新たな実習先を確保できなかった場合にのみ「特定活動(1年・就労可)」への在留資格の変更を認めるように変更(今までは縛りなし)。

  • 「技能実習」で在留し、技能実習を修了しておらず、かつ残余の在留期間がある場合は、原則として特定活動への変更が認められない取り扱いに変更(こちらも今までは縛りなし)。



Q18:現在の就労資格の在留期間がまだ残っていますが、自己都合で退職した場合、すぐに特定活動に変更できますか?

A18:退職後すぐに変更を申請することは可能ですが、Q14で述べた通り、自己都合退職は「自己の責めに帰すべき事情」と判断されるため、許可される内容は「特定活動(6か月・週28時間以内の就労可)」となる可能性が高いため注意が必要です。



Q19:家族(配偶者や子)も一緒にこの特定活動に変更できますか?

A19:就労資格で在留されている方が本特定活動に変更する場合、現在「家族滞在」の在留資格で在留しているご家族(配偶者やお子様)については、同様に「特定活動」への変更が許可されると考えられます(個別に申請が必要となります)。

これに対して本特定活動で在留している方が、この資格でもって本国にいるご家族を招聘することは認められませんので注意が必要です。



Q20:私は「留学」から就職しましたが、元の「留学」の時に資格外活動違反がありました。特定活動への変更に影響しますか?

A20:影響する可能性があります。

資格外活動違反は、在留状況が不良であったと判断される材料の1つです。

今回の緊急避難措置は人道的な配慮に基づくものではありますが、審査はあくまで個々の事案に応じて判断されるため、過去の法令違反の程度や内容によっては、審査に不利に働く可能性が高いと考えられます。



3.在留期間と就労

Q21:この特定活動が許可された場合、在留期間は何年(何か月)ですか?

A21:許可される在留期間は、原則として以下の2種類です。


  • 「1年」

  • 「6か月」


どちらの期間が許可されるかは、特定活動に変更する直前の状況(主に在留資格の活動を満了したか、満了しなかった場合理由は何か)によって判断されます。



Q22:「特定活動(1年・就労可)」が許可されました。どのような仕事でもできますか?

A22:はい。風俗業や会社経営(個人開業を含む)を除き、原則としてほぼ全ての業種の仕事に就くことが可能です。

「技術・人文知識・国際業務」のような、学歴や職務内容の関連性による制約はありません。



Q23:「特定活動(1年・就労可)」の場合、就労時間に制限はありますか?

A23:いいえ、就労時間の上限はありません。

「週28時間以内」のような制限はなく、フルタイム(例:1日8時間、週40時間)で働くことが可能です(もちろん、残業も日本の労働基準法に基づき可能です)。



Q24:「特定活動(6か月・週28時間以内の就労可)」とは、どのような場合に許可されますか?

A24:これは、主に「自己の責めに帰すべき事情により、現に有する在留資格の活動を満了しなかった者」に該当すると判断された場合に許可されます(自己都合退職、懲戒解雇、技能実習の失踪など)。



Q25:「特定活動(6か月・週28時間以内)」から「就労制限なし(1年)」に変更することはできますか?

A25:一定の要件を満たすことで可能となります。

具体的には、「特定活動(6か月・週28時間以内)」を許可された方が、許可後おおむね1年間、刑罰法令違反や入管法令違反を犯すことなく、適正な在留を行っていると認められる場合など、個々の事案に応じて「特定活動(1年・就労可)」への更新を認めるものとされています。



Q26:「特定活動(6か月・週28時間以内)」から「特定活動(1年・就労可)」への変更は、具体的にどのような手続きで行いますか?

A26:前述の通り「特定活動(6か月・週28時間以内)」の許可を受けてから、おおむね1年間、法令違反等がなく適正に在留した場合に、次の在留期間更新許可申請のタイミングで審査されます。 「就労可」への切り替えのためだけに、在留期間の途中で在留資格変更許可申請を行う必要はなく、また行うこともできません。 



Q27:この特定活動では、転職(仕事を変えること)は自由にできますか?

A27:可能です(「特定活動(6か月・週28時間以内)」の場合はその制限内での転職のみ可能)

なお所属機関に関する届出については、他の資格と同様に必要となります。



Q28:この特定活動の在留資格で、自分で会社を作って経営(起業)することはできますか?

A28:できません。本在留資格により許容されるのは、あくまで就労のみであり、自身で起業して事業を行うことは含まれないとされています。



Q29:「特定活動(1年・就労可)」と、従来の「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格とでは、就労範囲にどのような違いがありますか?

A29:最大の違いは「従事できる業務の範囲」です。

比較項目

特定活動(1年・就労可)

技術・人文知識・国際業務など

業務範囲

制限なし(単純労働も可)

専門的・技術的分野の業務のみ(単純労働は不可)

学歴・職歴

不要

業務内容と関連する学歴または実務経験が必要

転職

原則自由

転職先が許可範囲内の業務か審査が必要

安定性

情勢により終了可能性あり

安定した在留が可能

この特定活動は就労の自由度が高いものの、制度自体がミャンマー情勢に依存するため、不安定な在留状況であるともいえます。



Q30:この特定活動の期間中に、アルバイトを掛け持ちすることは可能ですか?

A30:可能です。ただし「特定活動(6か月・週28時間以内)」の場合は、労働時間の合計が週28時間以内に収まるよう注意が必要です。



4.申請手続きと必要書類 

Q31:就労資格から特定活動へ変更するには、どのような手続きが必要ですか?

A31:通常の在留資格変更と同様に、ご自身の住所地を管轄する出入国在留管理局にて、在留資格変更許可申請を行います。



Q32:申請はいつから(どのタイミングで)行うべきですか?

A32:現在の在留資格の活動が満了する(または継続不能となった)タイミングで申請します。

  • 雇用契約が満了する場合:

    在留期間の満了日が近づいたタイミングで、次の在留資格(特定活動)への変更申請を行います。


  • 解雇や退職の場合:

    退職後、なるべく速やかに申請することが望ましいといえます。資格変更を行わず、また転職活動も行わない場合、不法滞在とみなされる恐れがあるためです。



Q33:申請に必要な書類を教えてください。

A33:以下の書類が必要となります。


  1. 在留資格変更許可申請書(様式U(その他))

  2. 写真(縦4cm×横3cm)

  3. パスポート 及び 在留カード

  4. 理由書

  5. 説明書(「技能実習」で在留している場合のみ)


なお、状況によって追加書類を求められる可能性があります。



Q34:申請に必要な「理由書」には、どのようなことを書けばよいですか?

A34:下記事項について簡潔に記載を行います。

  • 帰国が困難な理由:

    ミャンマー本国の現在の情勢(例:徴兵制の実施、治安の悪化など)に触れ、それによってご自身やご家族がどのような影響を受ける懸念があるため、現時点での帰国は困難である旨を説明します。


  • 現在の在留資格から変更する理由: 

    なぜ現在の在留資格の活動が修了したのか。(例:雇用契約が満了した、解雇された、など)



Q35:申請に必要な「説明書」とは、どのような書類ですか?

A35:本申請における「説明書」とは、技能実習における監理団体(若しくは実習実施者)が作成する書類のことで、技能実習の継続が困難となった理由や、実習先変更に係る必要な措置の実施状況等が記載されます。



Q36:申請から許可(または不許可)まで、どのくらいの時間がかかりますか?

A36:審査期間は、申請する出入国在留管理局の混雑状況や、個々の申請内容によって大きく異なるものの、一般的な在留資格変更許可よりも比較的早く結果がでることが多いです。

ただし、書類に不備があったり、状況の確認に時間がかかったりする場合は、長期間審査に要するケースも存在します。



Q37:申請が不許可になる場合は、どのような場合ですか?

A37:本特定活動は緊急避難措置であり、人道的な配慮に基づくため、要件を満たしている限り、許可される可能性は高いです。

しかし、以下のような場合は不許可となるリスクがあります。


  • 日本での在留中に、重大な犯罪(例:懲役刑)を犯した場合。

  • 入管法令に対する重大な違反(例:不法就労、オーバーステイ、虚偽申請)が発覚した場合。

  • ミャンマー国籍者(または常居所を有する者)であることを証明できない場合。



Q38:申請にあたり、現在の勤務先(または退職した勤務先)から貰う書類はありますか?

A38:必須ではありませんが、下記のような書類が追加で求められる可能性があります。

  • 活動を満了した(する)場合:

    「雇用契約満了通知書」や「退職証明書(在職期間が明記されたもの)」


  • 会社都合で解雇された場合:

    「解雇通知書」(解雇理由が明記されたもの)


  • 自己都合で退職した場合:

    「退職証明書」


また「技能実習」で在留しており、かつ技能実習を修了していない場合は管理団体等が作成する説明書が必要となります。



5.特定活動許可後の生活と更新

Q39:特定活動(緊急避難措置)の在留期間がもうすぐ満了します。更新(延長)はできますか?

A39:はい、ミャンマー本国の情勢が改善(安定)し、帰国が困難な状況が継続していると認められる限り、在留期間の更新(在留期間更新許可申請)は可能とされています。

ただし、更新の審査時点で、日本での在留状況(法令違反の有無、納税義務の履行など)も確認されます。



Q40:更新申請は、何回までできますか?

A40:更新回数に上限は設けられていません。

ミャンマー本国の情勢が不安定である限り、更新は許可され続ける見込みです。ただし、これはあくまで「緊急避難措置」であるため、将来的に情勢が安定すれば、措置自体が終了し、更新が認められなくなる可能性はあります。



Q41:更新申請の際に注意すべき点はありますか?

A41:更新申請では「日本で適正に在留していたか」が重要になります。以下の点にご注意ください。


  • 法令違反をしていないか

  • 就労制限を遵守しているか

  • 納税・社会保険の納付義務を満たしているか



Q42:この特定活動の期間中に、本国(ミャンマー)へ一時帰国することは可能ですか?

A42:制度上はミャンマーへ一時帰国し、在留期間内に日本へ戻ってくることが可能です。しかし何らかの事情により在留期限内に再入国することができない場合、それがミャンマー国内の情勢等に影響するものであったとしても、延長の許可が下りず、在留資格が取り消される可能性が非常に高いといえます。

またこの在留資格は「ミャンマーの情勢不安により帰国が困難である」ことを理由に許可されています。無事再入国を果たしたとしても、ご自身の意思でミャンマーへ一時帰国したという事実は、次回の更新申請の際に「帰国が困難であるとは言えないのではないか」と審査官に疑義を持たれる可能性が高いです。

以上の理由から、やむを得ない事情(ご家族の危篤など)がある場合を除き、ミャンマーへの一時帰国は避けるべきであるといえます。



Q43:この特定活動の在留資格で、家族(配偶者や子)を本国から呼び寄せることはできますか?

A43:できません。

在留資格「家族滞在」は、特定の就労資格(「技術・人文知識・国際業務」や「留学」など)で在留する方の扶養を受ける配偶者・子のための在留資格であり、「特定活動(緊急避難措置)」は、「家族滞在」の対象となる在留資格として定められていません。

ただし、別途日本人(もしくは永住者)の保証人を立てることにより、「短期滞在」の資格で一時的に親族を呼び寄せることは可能であるといえます(本特定活動とは関係のない呼び寄せ)。



Q44:この特定活動の在留資格で、住宅ローンを組んだり、銀行口座を開設したりすることに制限はありますか?

A44:以下の通りです。

  • 銀行口座の開設:

    他在留資格と比較して影響がない場合がほとんどです。


  • 住宅ローン:

    金融機関によりますが、「特定活動(緊急避難措置)」は、制度の性質上、将来的な在留の安定性が「永住者」や「技術・人文知識・国際業務」と比べて低いと金融機関に判断される可能性があります。そのため、住宅ローンの審査は非常に厳しくなるか、断られる可能性が極めて高いといえます。



Q45:この特定活動の期間中に、日本の健康保険や年金に加入する義務はありますか?

A45:はい、他の在留資格と同様に加入義務があります。公的義務を怠ると、在留期間の更新に悪影響を及ぼす可能性がありますので注意が必要です。



6.他の在留資格への変更

Q46:この特定活動(緊急避難措置)から、再び「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格に変更することは可能ですか?

A46:はい、可能です。

「特定活動(1年・就労可)」の期間中に、ご自身の学歴や職歴に合った専門的な仕事を見つけ、その会社と雇用契約を結んだ場合、その業務内容に基づいて「技術・人文知識・国際業務」など、本来の就労資格への在留資格変更許可申請を行うことができます。



Q47:この特定活動から「永住者」の在留資格を取得することはできますか?

A47:原則として取得することができません。

永住許可における就労資格について、就労が認められている活動であっても、在留資格として専門的・技術的分野に属するものと評価できない場合や制度上在留期間の更新に制限があるような場合には、就労資格には該当しないものとされており、本特定活動は性質上、専門的・技術的分野に属するとはいえず、またあくまで緊急避難措置であるため、常に更新が認められるものであるとはいえないため、永住許可における国益要件を満たすことができず、許可が認められないものといわれています。



Q48:この特定活動から、日本国籍に帰化することはできますか?

A48:申請自体は可能ですが、かなり難しいとされています。

本特定活動は最長でも1年の在留期限であり、これは帰化申請の審査上、中長期滞在ではなく短期滞在として取り扱われる可能性が高く、帰化申請における居住要件を満たしていないと判断される可能性があるためです。

もちろん「ミャンマー特定活動では申請不可」という定めがないこと、また帰化申請の審査が複数の要件から個々の事案に合わせて行われることなどから、必ずしも帰化許可が下りないというわけではないようですが、上記の理由から帰化を検討されるのであれば、別の在留資格に切り替えてから申請される方が望ましいといえます。



Q49:この特定活動から「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」に変更することは可能ですか?

A49:はい、可能です。

この特定活動で在留している間に、日本人や永住者の方とご結婚された場合は、その身分に基づいて「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」への在留資格変更許可申請を行うことができます。



Q50:この特定活動(緊急避難措置)のまま日本に在留し続けることの、将来的なデメリットはありますか?

A50:この制度は人道的な配慮に基づくものであり、就労の自由度が高いなどのメリットもありますが、以下のような潜在的なデメリットも存在します。

  • 制度の永続性:

    あくまで「緊急避難措置」であるため、将来ミャンマーの情勢が安定したと日本政府が判断した場合、措置が終了し、更新が認められなくなる可能性があります。


  • 在留期間:

    在留期間が「1年」または「6か月」と短いため、頻繁に更新手続きが必要となります。


  • 社会的信用:

    住宅ローンのような長期的な安定性を求められる契約において不利になる場合があります。


  • 家族の呼び寄せ:

    就労資格等と異なり、新たに家族を本国から呼び寄せることができません。


将来的に日本で長期的に安定した生活を築きたいとお考えの場合は、この特定活動で在留しながら、より安定した在留資格(「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」、あるいは「永住者」)への変更を目指すことをお勧めいたします。


長後行政書士事務所では、ミャンマー特定活動に関するご相談や、在留資格変更許可申請のサポートを承っております。初回のご相談は無料でお受けしておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。


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